2024年、デビューから3連勝の無敗で皐月賞をレコード制覇。続く日本ダービーでも2着に入り、世代最強の一角として秋の飛躍が期待されていたジャスティンミラノ。
その矢先、突然発表された「引退」のニュースは、日本中の競馬ファンに大きな衝撃を与えました。
「なぜこれほど強い馬が、一度の怪我で走ることをやめなければならなかったのか」と、悔しさを滲ませる声が多くありました。
引退の理由は右前脚に発症した「浅屈腱炎(せんくっけんえん)」です。
この記事では、怪我の詳細な経緯や現役続行を断念した理由、そして北海道でスタートした種牡馬としての最新状況を詳しくひも解いていきます。
【この結論まとめ】
- 引退の主因は「右前浅屈腱炎」で、完治まで9ヶ月以上の休養が必要と診断された
- 2024年10月の調教後に違和感が見つかり、エコー検査で損傷が判明した
- 再発リスクと種牡馬としての血統的価値を考慮し、早期の引退が決断された
- 現在は北海道のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬として生活している
引退理由は「右前浅屈腱炎」。現役続行を断念した決断の真相

ジャスティンミラノがターフを去る最大の原因となったのは、競走馬にとって「不治の病」とも称される右前浅屈腱炎の発症です。
2024年10月、天皇賞(秋)へ向けて調整を進めていた追い切り後に右前脚の腫れが見つかり、精密検査の結果、深刻な損傷が確認されました。
屈腱炎は一度発症すると完治が難しく、復帰しても高い確率で再発を繰り返すという過酷な性質を持っています。
【屈腱炎の重症度と判断基準】
| 項目 | 詳細内容 | 判定 |
| 診断名 | 右前浅屈腱炎 | 重症 |
| 休養期間 | 最低9ヶ月以上 | 長期 |
| 復帰リスク | 再発の可能性が極めて高い | ▲注意 |
右前脚に発症した「浅屈腱炎」とはどのような怪我か
浅屈腱炎は、脚の裏側を通る「浅屈腱」という組織が、強い負荷によって一部断裂したり炎症を起こしたりする状態を指します。
「エビ」とも呼ばれるこの怪我は、単なる打撲や捻挫とは異なり、組織が元のしなやかさを完全に取り戻すことはありません。
時速60km以上で走るサラブレッドにとって、脚元のわずかな強度の低下は致命的な事故に直結する恐れがあります。
2024年10月の調教後に判明した故障の経緯
秋の盾(天皇賞)を目指して順調にメニューを消化し2週前追い切りまで順調に行っていましたが、その後に脚元がモヤッとしたとのことでした。
そして検査の結果右前浅屈腱炎を発症したことが分かったのです。
(出典:スポニチ競馬)
9ヶ月以上の休養が必要と判断された重症度
JRAの獣医師による診断結果は、全治までの期間として「9ヶ月以上の休養」を要するというものでした。
これは、翌年の宝塚記念までレースに出走できないことを意味します。
さらに、休養を終えても100%のパフォーマンスを取り戻せる保証はなく、常に再発の恐怖と隣り合わせの調整を強いられることになります。
友道調教師が語った「無念」と「将来への期待」の言葉
友道康夫調教師は、引退にあたって、これから期待していたのに残念な気持ちと同時に「長所を子供たちに伝えていってくれれば」と将来への期待を口にされました。
ジャスティンミラノは、父キズナの最高傑作の一頭として、種牡馬としての巨大な価値を有していました。
もし無理をして現役を続け、取り返しのつかない事故が起きれば、この素晴らしい血統を後世に残せなくなる可能性を考えれば、この時点での引退は英断だったことでしょう。
結論:
ジャスティンミラノの引退は、単なる怪我の悪化だけでなく、将来の種牡馬としての重責を守るための「賢明な勇退」であったといえます。
戦績と実力。無敗で皐月賞を制した「最強の3歳馬」の軌跡

ジャスティンミラノがこれほどまでに惜しまれるのは、その短い現役生活で見せた実力が「現役最強クラス」であったからです。
デビューからわずか4戦というキャリアでしたが、その内容はJRAの歴史を塗り替えるほど鮮烈なものでした。
特に中山競馬場の芝2000mを駆け抜けた速さは、それまでの常識を覆す異次元の領域に達していました。
【ジャスティンミラノ全戦績一覧】
| レース名 | 着順 | 特記事項 |
| 新馬戦 | 1着 | 抜群の末脚で快勝 |
| 共同通信杯 | 1着 | ジャンタルマンタルを撃破 |
| 皐月賞 | 1着 | 1分57秒1のレコード |
(出典:netkeiba)
※本内容は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトを確認してください。
共同通信杯で見せた非凡な瞬発力と素質
重賞初挑戦となった共同通信杯(G3)では、前年の2歳王者ジャンタルマンタルを相手に回しました。
スローペースからの瞬発力勝負となりましたが、ジャスティンミラノは驚異的な加速で一気に突き抜けました。
この勝利により、「単なる大器」から「クラシック候補筆頭」へと一気に評価が跳ね上がったのです。
1分57秒1。皐月賞レコードで証明した驚異のスピード
2024年の皐月賞は、ジャスティンミラノの能力が最も爆発した一戦でした。
ハイペースの中、好位で立ち回ると、直線では坂を駆け上がって力強く伸び、1分57秒1という驚天動地のレコードタイムを叩き出しました。
この記録はそれまでのコースレコードを大幅に更新するもので、当時の競馬ファンは「この馬が歴史を塗り替える」と確信しました。
※翌年の皐月賞でミュージアムマイルが1分57秒0というレースレコードを出しています。
日本ダービー2着。あと一歩で逃した二冠と世代の頂点
無敗の二冠を期待された日本ダービーでは、単勝2.2倍の圧倒的な1番人気に支持されました。
直線では早めに先頭に立つ積極的な競馬を見せましたが、最後はダノンデサイルの強襲に屈し、わずか2馬身差の2着に敗れました。
しかし、負けてなおその強さは際立っており、秋の雪辱が期待される中での無念の故障判明となったのです。
故障の原因と予兆。ダービー後の休養から引退発表までの流れ

ジャスティンミラノは日本ダービーでの激走後、秋の復帰に向けて北海道で休養に入りました。
当初の経過は順調と伝えられていましたが、10月の追い切り実施後に、現役続行を断念せざるを得ない故障が判明しました。
【故障判明から引退までの正確な時系列】
| 日付 | 出来事 | 詳細 |
| 2024年10月9日 | 主要な調教を実施 | 栗東CWコースでの追い切り後、脚元に腫れを確認 |
| 2024年10月11日 | 故障の公表 | JRAより右前浅屈腱炎および9ヶ月以上の休養と発表 |
| 2024年11月14日 | 現役引退の発表 | 競走馬登録を抹消し、種牡馬入りすることが決定 |
(出典:JRA公式サイト / スポーツ報知)
※本内容は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトを確認してください。
ダービー後の放牧:調教師は「疲れはすぐに取れた」と説明
日本ダービーで2着となった後、ジャスティンミラノは福島県のノーザンファーム天栄を経由し、北海道へ放牧に出されました。
友道康夫調教師は2024年9月の帰厩後の取材に対し、「ダービーの疲れはありましたが、すぐに取れて、北海道ではずっと元気でした」と述べています。
秋の目標を天皇賞(秋)に定め、2024年10月9日には予定通り主要な追い切りが消化され、CWコースで6F81秒5~1F11秒4のタイムをマークしていました。
10月の異変:追い切り後に発症した「右前浅屈腱炎」の診断
追い切り直後の段階では異常は見られませんでしたが、その後、右前脚に腫れと熱感(脚元がモヤッとしましたと表現)が確認されました。
2024年10月11日、JRAは公式ホームページにて「右前浅屈腱炎」の診断結果を公表しました。
これにより、JRAの規定に基づき、今後9ヶ月以上の休養を要する見込みであることが確定しました。
引退の決定:復帰を目指さず種牡馬入りを選択した経緯
故障判明後の協議を経て、2024年11月14日に正式な引退が発表されました。
友道調教師は引退にあたり、次のようにコメントしています。
「これからの馬だと思っていたので残念ですが、フレッシュなうちに種馬になったので、その長所を子どもたちに伝えていってくれればと思います」
復帰に要する期間の長さと、浅屈腱炎特有の再発リスクを考慮し、現役を退いて種牡馬としての活動を開始することが決まりました。
要点:
秋の始動に向けて順調に調整が進められていましたが、10月9日の追い切り後に発症した屈腱炎が、引退を決断する直接の要因となりました。
引退後の進路はブリーダーズ・スタリオン・ステーション。種牡馬としての期待

ジャスティンミラノは2024年11月14日付で競走馬登録を抹消し、現在は北海道日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで繋養されています。
皐月賞を驚異的なレコードで制した実績と血統背景から、生産界において極めて高い評価を受けています。
【種牡馬としての基本データ】
| 項目 | 内容 | 備考 |
| 繋養先 | ブリーダーズ・スタリオン・ステーション | 北海道日高町 |
| 2025年種付け料 | 300万円(受胎条件) | Book Full(満口) |
| 初年度産駒デビュー | 2028年夏(予定) | 2025年種付けによる |
キズナの後継としての血統的価値
ジャスティンミラノは、現在のリーディングサイアーである父キズナの有力な後継種牡馬として位置づけられています。
母マーゴットディドはイギリスのGI勝ち馬であり、その配合から生まれる爆発的なスピードが最大の特徴です。
キズナ産駒初の牡馬クラシック勝ち馬として、サンデーサイレンスの血を次代へ繋ぐ役割が期待されています。
2025年度は種付け料300万円で満口。生産者からの高い支持
種牡馬入り後、2025年度の種付け料は300万円(受胎条件)に設定されました。
発表から間もなく予約が殺到し、事務局より早期の満口(受付終了)が案内されました。
皐月賞で見せた1分57秒1という圧倒的なスピード能力と、馬体の良さが生産者たちの強い支持を集めています。
2026年現在の繋養生活と初年度産駒への展望
2026年現在、ジャスティンミラノは北海道のスタリオンでの生活に順応し、種牡馬としての業務を行っています。
放牧地で元気に過ごす姿が報告されており、現役時代に負った故障箇所も落ち着いた状態で過ごしています。
2025年に種付けされた牝馬が無事に出産すれば、その初年度産駒は2028年の夏にデビューする予定です。
ここがポイント:
初年度から即座に「満口」となった事実は、ジャスティンミラノの能力と血統が、日本の生産界にとって非常に価値が高いと証明された証です。
屈腱炎からの復帰ではなく「引退」を選んだ客観的背景

故障判明後、協議の結果、現役復帰ではなく種牡馬入りが選択されました。
これは、浅屈腱炎の治療に要する期間の長さと、再発のリスクを考慮した判断です。
【現役続行と早期引退の比較】
| 項目 | 現役続行を目指す場合 | 早期引退・種牡馬入りの場合 |
| 治療期間 | 最低9ヶ月〜1年以上の休養が必要 | 直ちにスタリオンへ移動可能 |
| 再発リスク | 非常に高く、競走中の再発も懸念される | なし |
| 価値の安定 | 怪我の再発や敗戦で下がる可能性がある | 皐月賞馬としての高い評価で固定 |
復帰後のリスクと評価の維持
浅屈腱炎は再発率が極めて高く、一度損傷した腱は元の強固な状態には戻りません。
1分57秒1というレコードを叩き出すほどの爆発的なスピードを持つ馬にとって、脚元の不安は全開での走りを妨げる大きな要因となります。
中途半端な状態で復帰させるよりも、最高の実績を残したまま種牡馬入りさせることが、馬の安全と評価の両面で適切であると判断されました。
早期種牡馬入りによる血統継承のメリット
早期に種牡馬活動を開始することで、産駒のデビューを早め、血統の普及を加速させることができます。
友道調教師が述べた通り、「フレッシュなうちに種馬になった長所」を次世代へ伝えることが、この馬に課せられた新しい使命となりました。
繋養先「ブリーダーズ・スタリオン・ステーション」の見学とマナー

ジャスティンミラノが生活するブリーダーズ・スタリオン・ステーションでは、特定の期間において一般の見学が許可される場合があります。
ただし、見学のルールは非常に厳格であり、マナーの遵守が絶対条件です。
【見学に関する基本情報】
| 項目 | 内容 |
| 所在地 | 北海道沙流郡日高町富川東2-972-3 |
| 見学の確認先 | 競走馬のふるさと案内所(公式サイト) |
| 禁止事項 | 餌付け、フラッシュ撮影、大声、牧場内への無断侵入 |
(出典:株式会社サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ)
※本内容は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトを確認してください。
北海道日高町にあるスタリオンへのアクセス
新千歳空港から車で約1時間ほどの場所に位置しています。
公共交通機関の利用は難しいため、車での訪問が基本となります。
見学可能な時期や時間帯は、種付け業務や馬の体調により厳しく制限されています。
牧場のルールと注意点
牧場内では、馬を驚かせないことが最も重要です。
また、防疫の観点から、靴の消毒や立ち入り禁止区域の遵守が求められます。
「馬の静かな暮らしを守る」という意識を持ち、ルールに従って見学してください。
ファンの反応と惜しむ声。夢の続きは産駒たちへ

ジャスティンミラノの引退に対し、ファンからはその早すぎる勇退を惜しむ声が多く寄せられました。
しかし現在は、皐月賞レコード制覇という輝かしい記憶とともに、その子供たちの活躍を願う声が主流となっています。
【ファンの評価と反応】
| 項目 | 内容 |
| 皐月賞の実績 | 1分57秒1のレコードは歴史的衝撃として高く評価 |
| ダービーの走り | 2着に敗れたものの、世代屈指の実力を示したと評価 |
| 今後への期待 | 父キズナを超えるような産駒の誕生を切望 |
(出典:SNS / 競馬掲示板等の分析)
記憶に残る「幻の三冠候補」
わずか4戦という短いキャリアでしたが、ジャスティンミラノが残したインパクトは絶大でした。
「もし無事であれば、秋の天皇賞やジャパンカップでも主役を張っていたはず」という期待感は、今後もファンの間で語り継がれるでしょう。
産駒デビューへの期待
2028年の初年度産駒デビューに向けて、競馬界全体が注目しています。
ジャスティンミラノが果たせなかった二冠や古馬GI制覇の夢は、次世代へと引き継がれていきます。
まとめ
ジャスティンミラノの引退理由は、右前浅屈腱炎によるものであり、その後の決断は「再発のリスクを考慮し、フレッシュな状態で種牡馬入りさせる」ということでした。
皐月賞で見せた衝撃的なレコードタイムは、記録として永遠に残り続けます。
現在は北海道にて、父キズナに続く名種牡馬としての道を歩んでいます。
この記事のポイントを振り返ると:
- 引退の直接の原因は、2024年10月の追い切り後に判明した「右前浅屈腱炎」
- 友道調教師は「フレッシュなうちに種馬になった長所を子どもたちに」と期待
- 現在は北海道のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで繋養中
- 2025年度の種付け料300万円は即座に満口となり、非常に高い期待を受けている
初年度産駒がデビューする2028年の夏を、静かに楽しみに待ちましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. ジャスティンミラノの引退理由は?
A. 右前浅屈腱炎(みぎまえあさくっけんえん)です。2024年10月の追い切り後に発症し、JRAより全治9ヶ月以上の診断が出たことで、引退に繋がりました。
Q. 引退発表時の友道調教師のコメントは?
A. 「これからの馬だと思っていたので残念ですが、フレッシュなうちに種馬になったので、その長所を子どもたちに伝えていってくれればと思います」と述べられています。
Q. 故障が判明したのはいつですか?
A. 2024年10月11日です。その2日前の10月9日に調教(追い切り)が行われたのですが、その後に脚元に腫れや違和感が確認されました。
Q. 現在、ジャスティンミラノはどこにいますか?
A. 北海道日高町の「ブリーダーズ・スタリオン・ステーション」にいます。種牡馬として生活しており、特定の時期には一般見学も可能です。
Q. 種付け料はいくらですか?
A. 2025年度は300万円(受胎条件)です。発表直後から申し込みが殺到し、即座に満口となりました。



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